本資料について
本資料編は、本論で引用・参照した公開資料を整理したものである。
本文では「事実」「観察」「仮説」を区別して記述した。
本資料編は、そのうち事実を支える公開情報を中心にまとめている。
なお、数値や助成状況は執筆時点で公開されている資料に基づくため、将来変更される可能性がある。
資料1 44Netとは何か
AMPRNet(44Net)の概要
44Net(AMPRNet)は、1980年代初頭にアマチュア無線家によるTCP/IP通信実験のために割り当てられたIPv4アドレスブロックである。
正式には
44.0.0.0/8
という非常に大きなアドレス空間であり、
世界中のアマチュア無線家によるデジタル通信実験に利用されてきた。
当時、このアドレスは経済的価値を持つものではなく、
実験用資源として考えられていた。
資料2 44Net年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1981頃 | 44/8をアマチュア無線用に割り当て |
| 1980〜1990年代 | AMPRNetとして利用拡大 |
| 2010年代 | IPv4アドレス不足が深刻化 |
| 2018 | 44Netの一部売却開始 |
| 2019 | ARDC設立 |
| 2020〜現在 | 助成財団として活動拡大 |
資料3 ARDCとは
正式名称
Amateur Radio Digital Communications
設立
2019年
設立資金
44Net(AMPRNet)の一部売却益
目的
アマチュア無線
デジタル通信
教育
研究
オープンソース
科学技術
コミュニティ活動への助成
資料4 ARDCの理念(要約)
ARDCは、
学習、
実験、
デジタル通信、
教育、
研究、
コミュニティ形成を支援することを目的としている。
支援対象は
- アマチュア無線
- STEM教育
- オープンソース
- ワイヤレス技術
- 大学
- 学校
- 地域活動
など広範囲に及ぶ。
資料5 主な助成例
(執筆時点の公開資料より)
| 助成先 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| ARRL Foundation | クラブ助成プログラム | 約500,000ドル |
| Youth On The Air Camps | 若者育成 | 105,000ドル |
| GNU Radio | オープンソースSDR | 258,000ドル |
| 高校HF教育 | 学校教育 | 59,104ドル |
| Boy Scouts San Diego | HF設備 |
※助成内容は年度により変更される。
資料6 ARDCの主な助成分野
- アマチュア無線
- STEM教育
- 若者育成
- オープンソース
- GNU Radio
- SDR
- メッシュネットワーク
- 地域コミュニティ
- 大学研究
- 災害通信
- デジタル通信技術
資料7 国際組織との関係(概念図)
44Net
↓
ARDC
↓
助成
↓
ARRL
IARU
大学
教育団体
地域団体
YOTA
オープンソース
※この図は公開資料から確認できる助成・連携関係を模式化した概念図であり、組織の上下関係を示すものではない。
資料8 YOTAとは
YOTA
Youngsters On The Air
IARU Region 1で始まった若者育成事業。
現在はRegion 2・Region 3へも拡大。
内容
- 国際交流
- アマチュア無線
- 電子工作
- デジタル通信
- STEM教育
- リーダーシップ育成
資料9 JOTA-JOTI
JOTA
Jamboree On The Air
1958年開始
JOTI
Jamboree On The Internet
1990年代開始
現在は
JOTA-JOTI
として運営されている。
世界最大規模のスカウト国際交流イベントであり、
アマチュア無線とインターネットの双方が活用されている。
資料10 アイコムならやま研究所
日本では、
アイコム株式会社ならやま研究所が、
ボーイスカウト日本連盟と協力し、
JOTA-JOTIの会場として施設提供や無線設備の支援を行っている。
公開資料によれば、
- 無線局設備
- アンテナ
- 宿泊施設
- 技術スタッフ
などが提供されている。
資料11 日本国内の主な関係団体
JARL
日本のアマチュア無線連盟。
IARU Region 3加盟団体。
近年は
- YOTA
- 国際交流
- 若者育成
などにも取り組んでいる。
JARD
一般財団法人日本アマチュア無線振興協会。
養成課程
講習会
スプリアス確認保証
教育活動
技術普及
などを実施している。
資料12 用語集
44Net(AMPRNet)
アマチュア無線用IPv4アドレス空間。
ARDC
Amateur Radio Digital Communications。
ARRL
American Radio Relay League。
IARU
International Amateur Radio Union。
YOTA
Youngsters On The Air。
JOTA
Jamboree On The Air。
JOTI
Jamboree On The Internet。
STEM
Science, Technology, Engineering, Mathematics。
GNU Radio
オープンソースのソフトウェア無線開発環境。
資料13 参考資料
執筆にあたり、主に以下の公開資料を参照した。
- ARDC 年次報告書(Annual Reports)
- ARDC 助成一覧(Grant Awards)
- ARDC Mission / Vision
- ARRL Foundation 公開資料
- IARU 理事会議事録・公開資料
- IARU Region 1・2・3 公開情報
- JARL 公開資料
- JARD 公開資料
- 総務省 電波利用・アマチュア無線制度資料
- アイコム株式会社 公開資料(ならやま研究所・JOTA-JOTI支援)
- ボーイスカウト日本連盟 公開資料
