- ―DARPA、NICT、YRP、D-STAR、ARDCをめぐる構造的考察―
- 1. DARPAが築いた研究モデル
- 2. 日本では郵政省が独自の研究ネットワークを形成
- 3. NICTが研究ネットワークの中核となる
- 4. 研究は大学・企業・行政を結ぶ
- 5. IEEEが国際的な接点となる
- 6. D-STARとの接点
- 7. 三木哲也氏の位置(元JARD会長)
- 8. SD会議との連続性(2024年5月JARL,JAIA,JARD,CQ誌が開催したアマチュア無線継続的発展会議)
- 9. ARDCとの比較
- ここまでみてきて分かる通り業界と森田山内執行部の「アマチュア無線継続的発展会議」(SD会議)の方向性はARDCを作り出したDARPAに遡れる、アマチュア無線局を増やしたりしない。国家,産業,安全保障政策に「利用」され売り渡すものでしかない、
- 産学官財の利益のために利用されるアマチュア無線
- DARPAとは
―DARPA、NICT、YRP、D-STAR、ARDCをめぐる構造的考察―
1. DARPAが築いた研究モデル
1960年代以降、米国では国防総省(DoD)の下にあるDARPAが、
- 大学へ研究資金を供給
- 基礎研究を育成
- IEEEなどを通じて標準化
- 民間企業へ技術移転
という研究モデルを築いた。
ARPANET
TCP/IP
SDR
認知無線
など多くの情報通信技術はこの流れの中で発展した。
2. 日本では郵政省が独自の研究ネットワークを形成
1990年代になると、
郵政省は
研究開発拠点政策
を開始する。
その代表が
- 横須賀リサーチパーク(YRP)
- 通信・放送機構(TAO)
である。
YRP自身も
郵政省の研究開発拠点政策により設立された
と説明している。
3. NICTが研究ネットワークの中核となる
1998年、
通信総合研究所が横須賀へ移転し、
後の
NICT横須賀無線通信研究センター
となる。
ここでは
- 周波数有効利用
- SDR
- コグニティブ無線
- 次世代ネットワーク
などが研究された。
4. 研究は大学・企業・行政を結ぶ
YRPには
- NTT
- NEC
- 日立
- 東芝
- ソフトバンク
- KDDI
- NICT
- 総務省
- ARIB
- TTC
などが参加している。
つまり
総務省
│
NICT
│
YRP
│
大学──企業──標準化団体
という巨大な研究コミュニティが形成されている。
5. IEEEが国際的な接点となる
この研究コミュニティは
IEEE
を舞台として国際標準化を進める。
代表的人物が
- 河野隆二
- 李煥邦
- Arthur Astrin
である。
ここで重要なのは
DARPAの研究成果もIEEEへ集まり、日本の研究成果もIEEEへ集まる
ということである。
つまり
DARPA
↓
IEEE
↓
NICT
↓
河野隆二
という
研究コミュニティとしての接点が存在する。
一方、河野氏や大森氏がDARPAプロジェクトに直接参加したことを示す公開資料は現時点では確認できていない。
6. D-STARとの接点
一方、
D-STARは
郵政省の
周波数有効利用
政策から始まり、
JARL・JARD・JAIA共同研究として開発されたことが当事者の座談会で説明されている。
つまり
郵政省
↓
周波数有効利用
↓
JARL
JARD
JAIA
↓
D-STAR
という流れが確認できる。
7. 三木哲也氏の位置(元JARD会長)
三木氏は
- NTT研究所
- 電気通信大学
- NICT共同研究
- JARD
をまたぐ人物であり、
情報通信研究コミュニティと
アマチュア無線コミュニティを結ぶ位置にいる。
8. SD会議との連続性(2024年5月JARL,JAIA,JARD,CQ誌が開催したアマチュア無線継続的発展会議)
SD会議で掲げられた
- 若者育成
- STEM
- デジタル
- 大学
- ネットワーク
という方向性は、
D-STAR座談会で語られていた思想と非常によく似ている。
したがって、
1998年頃から形成された情報通信政策の流れが、
後年のSD会議へ連続している可能性はある。
ただし、その具体的な意思決定過程や影響関係は、さらに資料による検証が必要である。
9. ARDCとの比較
ARDCは
助成
↓
大学
↓
オープンソース
↓
標準化
↓
教育
日本側は
総務省
↓
NICT
↓
YRP
↓
大学
↓
IEEE
↓
標準化
↓
社会実装
非常によく似た構造を持つ。
現時点で言えること
公開資料から確認できる事実
- 郵政省がYRPを研究開発拠点として整備した。
- NICTがその中核となった。
- 大学・企業・行政・標準化団体を結ぶ研究コミュニティが形成された。
- D-STARは郵政省の「周波数有効利用」政策から始まった。
- 河野隆二氏らはIEEE標準化を通じて国際的な研究コミュニティの中心で活動した。
強く示唆されること(仮説)
- 日本の情報通信研究コミュニティとARDCが重視する「大学・標準化・人材育成・技術コミュニティ」という構造は非常によく似ている。
- この類似は、DARPAを起点とする世界的な研究文化がIEEEなどの国際標準化コミュニティを介して共有された結果である可能性がある。
- まだ証拠が不足している点
- DARPAがYRPやNICTの制度設計に直接影響したこと。
- DARPAと河野隆二氏・大森慎吾氏・三木哲也氏との直接的な共同研究やプロジェクト参加。
- この研究コミュニティがJARLのSD会議や組織改革にどのような形で具体的な影響を与えたか。
ここまでみてきて分かる通り業界と森田山内執行部の「アマチュア無線継続的発展会議」(SD会議)の方向性はARDCを作り出したDARPAに遡れる、アマチュア無線局を増やしたりしない。国家,産業,安全保障政策に「利用」され売り渡すものでしかない、
目的
│
├─ 情報通信技術の発展
├─ 人材育成
├─ 標準化
├─ 周波数利用
└─ 研究開発
│
└─ アマチュア無線はその一つの実験・教育フィールド
情報通信政策側は、アマチュア無線を「研究・教育・技術実証の場」と見ている。
アマチュア無線家の多くは、アマチュア無線を「文化・遊び・自発的なコミュニティ」と見ている?
ARRLでもJARLでも起きている似たような「魔女狩り騒ぎ」は「国家政策と同調する業界に取り込まれつつある」アマチュア無線局組織を、「取り込まれる側の意向に沿った意思をもつものが邪魔者を追い出す行為なのではないのか」自発的かどうかはともかく。
産学官財の利益のために利用されるアマチュア無線
YRP/NICT/TAOは、単なる研究組織ではなく、公的資金を使って研究テーマを設定し、大学・企業を動員し、標準化と社会実装を通じて市場を形成する装置である。アマチュア無線はその中で、趣味文化としてではなく、周波数利用・デジタル通信・人材育成の実験場として位置づけられた可能性が高い。
DARPAとは
DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)は、日本語ではアメリカ国防高等研究計画局と訳されます。
1958年にスプートニクショックを機に設立されました。軍事だけではなく科学技術全体を対象にしています。
DARPA
│
├── MIT
├── Stanford
├── Berkeley
├── CMU
├── Bell Labs
├── Qualcomm
└── 世界中の研究者
研究費を出します。インターネット(ARPANET)
DARPAから生まれたもの
TCP/IP
GPSの基礎技術
ステルス
ドローン
AI
自動運転
音声認識
ソフトウェア無線(SDR)
