アマチュア無線の再興は「ラジオ放送」聴取の魅力の再発見とラジオ受信機の認知と普及にあり。7N4QUK 岡本 均
私のブログ「ku kan ai」の他の「オーディオとラジオ衰退とアマチュア無線」「無線の喜びを考えてみた」を読んでいただけた方にはお分かりいただけると思うのですが、アマチュア無線とラジオ聴取の根本的な楽しみは同じところがあり、いきなりフリーライセンス無線やアマチュア無線に興味が湧く方はいいのですが、無線遊びの楽しみの感覚を体験するきっかけとしてラジオ聴取の楽しさを深めてゆく過程でアマチュア無線への導線をつけた方が無理なく理解できるのではないかと思います。
現在、アマチュア無線を楽しまれている人でも最初はBCL、SWL、業務無線受信趣味を踏み台にして始められた方は多いのではないかと思います。
最近ラジオ放送のことを考えてネットで検索していたところ、いわゆるZ世代と言われる若い方達に「ラジコ」で聞くラジオ放送聴取率が少し上がっているという記事を見つけました。
そして驚いたことに「ラジオ受信機」を知っている。持っているという人が少ないということがわかりました。
この状況はラジオという電波で送ることも含んだ「聴く」という体験から、「コンテンツ」だけを取り出した、「貧しいおいしくないラジオ体験」かと思います。
サブスクリプションで無作為に音楽を選択して聴く「音楽聴取体験の貧しさ」に通じるものがあります。最近のレコードやカセットテープで音楽をメディアと共に音楽を発見しながら聴く「豊かな音楽聴取体験」と対極にあります。
ラジオ放送はラジオ放送のエリア内の空間にいる聴取者一人一人が「一人きりではなく」結びつける働きをします。
音声メディアであることも手伝って匿名の一人一人に語りかけます。
現在でもコミュニティFMでアマチュア無線局向け放送はされていますが、ラジオを聴くこと自体の楽しみを伝えようとするものは昔はあったかもしれませんが聞いたことがありません。
聴取者の減少に苦しむラジオ局こそそのような放送が必要であるので協力しあえないものでしょうか?ラジオメーカーをスポンサーにすることもできるかもしれません。
「こうやったらラジオはもっと楽しく聴けるよ」とか、こういう気持ちで聞いたらロマンがあるよとか、こうしたらもっとよく聴けるよとか、海外の日本語放送があるよとか、この番組は面白いよこんないいラジオ受信機があるよとかラジオについてのメタメディアがラジオ放送番組にないように思われます。
ラジオ放送をメディアとして愛好することができれば、無線遊びの楽しさを理解するのは容易です。ラジオ放送の楽しみの上位互換の無線メディアの楽しみとしてのアマチュア無線を理解する心の準備はできているからです。
番組の聴取者にラジオプレゼントの実施などもあってもいいかと思われます。
このような番組内で一部でいいのでアマチュア無線の広報をすれば効果は大きいと思われます。
次にワンストップでアマチュア無線開局に至れるサポート体制の構築、アマチュア無線に興味があったとしても免許をとり、アンテナ、無線機を購入し、アンテナを立てることは初めての人には見通しがつかないことです。開局のためのホームページの充実、相談窓口の設置、無線機販売業者の協力が必要でしょう。JARDとの密接な協力体制が必要かもしれません。
ラジオ局の現状はコスト削減のためのAM局の廃止、FM局への移行など、むしろ競争のさらなる激化、刺激さえ強ければいいとうるさい放送、ラジオショッピングなどの放送時間の増加でますます聴く楽しみを自ら削り取っています。
ラジオ放送とアマチュア無線は共にあゆんできました。今こそこの似たものメディアは協力して豊かな実りを享受したいものです。